弊社では、CAD/CAM機器によるミリングされたチタン冠の受注を8月より開始いたしました。
ジルコニアなどの高強度セラミックが普及した現在においても、最後臼歯や臼歯部のブリッジなどの症例では依然、金属製のクラウンが選択される場合があります。その場合の役割を保険適用の金銀パラジウム合金製のクラウンが担っていましたが、近年の異常なパラジウム価格の高騰により以前と同様の使用が難しくなっています。
チタンは生態親和性が良く、丈夫で、物質としては地球上に多く存在するのでグラムあたりの価格も安価で、歯科用金属としては理想ともいえる特質を持っています。なぜそれが普及しないかと言えば、製作法として広く普及している鋳造法による加工が非常に困難だからです。鋳造後のチタン冠は分厚い酸化膜に覆われ研磨性も低く、チタンの最大の特徴である生体親和性を大きく損なう物でした。ところが、CAM機でミリングされたチタン冠は、高熱を加える工程がないため、クラウン表面に不要な酸化膜を形成することがありません。つまりチタン合金の性能を生かしたクラウンを製作するためには、鋳造ではなく切削加工することが最善なのです。
適応症 : クラウン、ブリッジ、レジン前装冠
未対応 : インレー